代謝内科
Metabolism
代謝内科
Metabolism
高尿酸血症は、血液の中の尿酸値が高くなる病気です。
尿酸値が高くなる主な原因は、プリン体の過剰摂取です。プリン体は動物の内臓に多く含まれるため、レバーや魚の干物などには注意が必要です。また、ビールもプリン体を多く含む食品ですが、アルコールそのものに尿酸値を上昇させる効果があるため、尿酸値が高い人には摂取を控えるよう指導しています。
尿酸値が高くなることで、過剰となった尿酸がナトリウムと結晶を形成し、関節や皮下組織、腎臓に沈着します。関節に蓄積した結晶は後述する痛風発作の原因となります。皮下組織に蓄積した場合は痛風結節、腎臓に蓄積した場合は尿管結石の原因となります。
高尿酸血症の治療は、プリン体を多く含む食品を摂取しないことです。緑黄色野菜や海藻はプリン体が少ない食品の代表です。また、これらの食品は尿をアルカリにする効果もあるため、尿管結石の予防にも役立ちます。食事療法で効果がない場合は、尿酸の合成を阻害するお薬で治療します。
痛風発作は、関節に蓄積した尿酸結晶を基盤に発症する関節炎です。
炎症を起こすきっかけは、ストレスや尿酸値の急激な変動と言われています。高尿酸血症を放置している期間が長いほど結晶も大きくなるため、痛みが強く、発作も頻回で、治療期間も長くなる傾向があります。
主に足の親指が痛みを伴って腫れますが、他の関節に生じることもあります。
治療は痛み止めです。尿酸値が高いことを理由に、すぐに高尿酸血症のお薬を使うと、尿酸値が急激に変動するため、痛風発作を悪化させることがあります。治療中の方はお薬を継続して構いませんが、治療を中断されていた方は痛みが落ち着くまで、高尿酸血症の治療を再開しないよう指導しています。
骨粗鬆症は、骨に含まれる各成分が減少して骨が脆くなり、骨折しやすくなる病気です。骨密度検査で骨塩量を計測し、若年成人平均値の70%未満で診断します。
骨密度は、20歳ころまでの生活習慣でその人のpeak値が決まります。偏った食生活や日光を浴びない生活をしているとpeak値が低くなり、将来的な骨粗鬆症のリスクが高まります。また、40歳ころから男女ともに骨密度は低下し始めますが、女性の場合は閉経による女性ホルモン減少に伴い、さらに低下します。
骨折は治る病気ですし大事には至らないと思われがちですが、高齢になってからの腰椎圧迫骨折と大腿骨頸部骨折は、治りも悪く、最悪の場合は寝たきりの生活となり、健康寿命を著しく短縮させます。
当院では、DEXA法という大腿骨と腰椎で計測する機械で検査しています。練馬区骨粗鬆症検診の対象施設です。そのほか、糖尿病、甲状腺疾患、腎疾患、ステロイド投与中など骨粗鬆症リスクの高い方にも積極的に検査することをお勧めしています。
治療法は、骨形成に必要な活性型ビタミンDが少ない場合は活性型ビタミンDを、骨を壊す細胞の働きが強くなっている場合は、それを抑えるSERM、ビスホスホネート、抗RANKL抗体といった薬剤を、骨を形成する細胞の働きが弱く、重症の骨粗鬆症の方には副甲状腺ホルモン製剤をお勧めしていますが、治療状況により適宜変更します。